政府の専門家会議などのメンバーの先生方が出席された日本内科学会主催の緊急シンポジウム、日本感染症学会主催の特別シンポジウムなどが相次いで開催され(もちろん聴講者なしで、ネット配信)わずかですがこのウイルスに関係する事実がわかってきました。
新型コロナウイルスは飛沫感染を生じますが、咳やくしゃみはもちろんしゃべるだけでもごく細かい飛沫(マイクロ飛沫)が生じ、これは密閉された空間でしかも湿気のあるところであれば30分以上漂い、3時間感染性がなくならないそうです。感覚的には空気感染に近い飛沫感染と言えるのではないかと思います。
また接触感染の観点から言えば銅の表面で4時間、ダンボール表面で24時間、プラスチック、ステンレスの表面では3から4日間感染性を有しているとのことです。3密を避けることは最重要ですが、さらにあまり湿気が高くならないように、また頻回の換気が重要です。アルコールや次亜塩素酸ナトリウムによる環境の消毒も重要かと思われます。
感染して約半数が発症するのですが(8割は軽症)症状が出るまで約5日、診断がつくまでそれから約6日、入院加療して退院まではさらに16.5日と言われています。無症状の方からもウイルスが認められ、発症前後にウイルス量がピークであり特に唾液中に多く、また高齢の方にウイルス量が多いそうです。インフルエンザと比較し鼻咽頭などのウイルス量は100分の1程度であり、これが簡易検査を困難にさせているのだと思います。
年齢分布を見ると20歳〜50歳代が多く活動性や行動範囲の広いこの年齢層が主な感染者になっています。また0歳〜19歳が全体の3.5%と際立って少ないですが、無症状の感染者(キャリア)の割合が多い為かもしれませんので安心はできません。
発熱や咳、息切れなどの症状がない方でも(無症状でも)コロナウイルスに感染しているかもしれないとなると、もしかしたら自分もキャリアかもしれない。そう考えて行動すべきと思います。
ワクチンがなく、効果的な薬剤が明らかではない現状ではやはり人との接触を避け、環境を整え、体調を崩さないように留意するということが最重要です。100年前のスペイン風邪の時と変わらないじゃないかと言う識者もいますが、今はこれを守るしかないのでは?みんなで辛抱して乗り切りましょう。
※新たな研究や報告により情報は変わるかもしれません。